シン・ゴジラ…感想!
2016年 07月 30日
それに対抗するかのように「日本でもゴジラ映画が作られるらしい」という噂が広がり始め
庵野監督の『シン・ゴジラ』の予告が公開…これがすこぶる最悪の予告(゚Д゚)
逃げ惑う人々の映像の合間にキャストが表示されるだけ…正直、期待値は地におちました。
しばらくこの映像以外に情報が無い状況が続き
ある日「これがシン・ゴジラではないか」という画像がネットで話題に。
…正直、好きじゃないデザインだなぁとここでも期待値は低下。
そして今度はゴジラがしっかり映っている新予告が公開。
たしかに日本の特撮技術が圧倒的に進歩している事が分かる映像に驚きつつも
「これ映画内のゴジラ登場シーンのほぼ全てなんじゃないの」と
疑ってかかってしまう程には既に期待値が下がりきっていました…。
こうして公開日を迎えたわけですが
いざ公開されると内容が気になってしまうんですよね。
「自分は予告やデザイン等でつまらない映画だろうと決めつけすぎなのではないか」
「駄作なら駄作で、この目で確かめに行こう!」と…そして映画館に向かったわけです。
※最終警告です※
この映画、わざわざ『ネタバレ注意』と書かれた帯がまかれて
パンフレットが売られているレベルに観賞前のネタバレ禁物です。
まだ映画を観ていない方の当記事の閲覧はオススメしません。
ストーリーの骨格は『政治ドラマ』そのものでした。
「もし政治ドラマみたいな内容だったら嫌だな」なんて思っていたら
ソレそのだったわけですが、正直メチャクチャよく出来てるんですよ(・・;)
今までの怪獣映画は怪獣に対抗するためにポンポン戦車や戦闘機が出撃、
攻撃を行なってきましたが『現実はそういうわけにはいかない』事が非常にリアルに描かれていました。
普通だったら怪獣映画で政治ドラマなんてやられたら5秒で飽きるんですが
シン・ゴジラは独特のテンポとカットで見事にソレを見せきってくれました!
しかもその政治ドラマに関わる登場人物の全員が共感できる!
言ってしまえばこの映画、やってる事は『日本の政治の仕組みのせいで動けない』
という非常にイライラするはずの内容なんです…でも全くイライラしなかった!
政治に限らず、我々が行きる社会ってそうなんですよね…何かっちゃあ
文句つけられて、やりたいように出来なくて、責任を押し付けられて…。
そんな人間模様をあえて真正面から描き切ったのは大正解だったでしょうね。
結局『敵怪獣がいない』ので人間の兵器との対決が主になるんですが
これも1つ1つの描写が細かく、日本にはこんな攻撃手段があるんだなぁと、
そしてよくこれだけ細かく描写できる程に調べ上げたなぁと感服しました。
敵怪獣無しの戦闘シーンをここまでカッコ良く見せられたのは本当に驚きました。
ヘリや戦闘機、戦車による攻撃の重みと言いましょうか?
これらに関して言えば今までの映画史上最も良く出来ていると言っても過言ではないでしょう。
で、『問題のネタバレ要素』にふれていきましょうか…。
あの驚きを振り返るために、あえて初見風に書いてみましょう。
まず「巨大生物なんているわけないだろ」とかやってると
海の中から謎の巨大な尻尾が出てくるわけですよね。
もちろん観てる客は全員「あーはいはい、ゴジラね」状態だったでしょう。
その『謎の生物』は日本に上陸し、背ビレしか見えない状態で
街の中を進行していきます…この辺もお決まりですがゴジラだって分かりきってるのに
随分もったいつけるなぁなんて思いながら観てましたね。
で、人々が逃げ惑うシーンを経て
人々の後ろがパッと映ると…ゴジラじゃない!
いや、ゴジラのゴジラたる特徴は入っているんですが
明らかにゴジラじゃないっていうか予告のシン・ゴジラと違う(゚Д゚)
なんか圧倒的に弱そうかつ、自重で潰れかけて
エラから血反吐を吐きながら歩いてくるコレは一体!?
もう本当にビックリしましたが、コイツが急速な進化を開始。
「あぁ進化してアレになるのか」と思いましたがまだ弱そう…!
結局この後また退化したり逃げたりして、気がついたら例の姿に。
(我々が知るシン・ゴジラは第4形態との事)
この第4形態に人間の武器がまったく効かないシーンが凄く良いんですよね!
CGの出来に関して言えばハリウッド映画に勝てるわけもなく
部分的には正直「ここ残念だなぁ」と感じるところもありましたが
先述の『戦車や戦闘機のリアルなカット』で上手くフォローできていたと思います。
シリアスなシーンにも随所にネタ感(良くも悪くも)を感じる要素が多く
今パッと思い出せるものだと
・総理がやけに役たたずみたいに描かれる
・エヴァのあのBGMにしか聴こえないやつが頻繁に流れる
等ですかね。
ゴジラ映画と言えば、毎回作る側の課題となるのは『どう終わらせるか』。
今回は『海外から日本に核ミサイルが発射されるまで時間がない』中で
それ以外の解決法を完成させようと奮闘、成功し『ゴジラを凍結』させました。
ここも良かったと思います、庵野監督という事で
作戦が失敗して主人公含む全登場人物の死亡や
凍結されたゴジラが最後に復活してバッドエンドもありえるんじゃないかと
最後までドキドキしながら観ていましたが、ちゃんと凍結したまま終わりました。
最後、ゴジラの尻尾から人型の生命体が誕生しつつあったカットは
私は「死人の怨念とか?」と思いながら観ていましたが
知人に「ゴジラの無性生殖」と言われてソレだ!と思いましたね。
少々短めに切り上げまして、総評ですが
・思っていたよりは明らかに良かった
・観る者を楽しませよう、驚かせようという意志を感じた
(ゴジラ進化前、ゴジラの多彩かつ驚愕の攻撃方法…等)
・戦闘がゴジラのCGオンリーなら正直キツかったと思うが
戦車や戦闘機等の素晴らしいカットが加わる事で完璧にフォローされていた
・政治ドラマだったら嫌だな〜と思っていた私が
飽きない程にソレの完成度が高かった
・少々分かりやすくエヴァ要素を入れすぎ?
(例のBGM、ゴジラのラミエル化…等)
といったトコロでしょうか、けっして「最高だった!」の部類には入りませんが
面白かったです、続編があったら『喜んで』観に行きますw